入力項目の決め方

シミュレーションの精度は入力した前提でほぼ決まります。完璧な数値でなくてよいので、まずは現実的な見積もりから始め、あとから調整していくのがコツです。すべて実質(いまの購買力ベース)・万円で入力します。インフレは内部で考慮されるため、将来の物価上昇を自分で上乗せする必要はありません。

毎月(年間)の生活費

最も結果を左右する項目です。分からない場合は、直近3〜6か月の支出をふり返って平均を取ると現実に近づきます。固定費(住居・通信・保険・サブスクなど)と変動費(食費・娯楽・被服など)を分けて把握すると精度が上がり、見直しの効果も見えやすくなります。年に数回の大きな出費(帰省・旅行・家電の買い替えなど)も、月割りにして含めておくと取り崩しを過小評価せずに済みます。

退職後の生活費は、現役時代の7〜8割程度に下がる家庭が多い一方、医療・介護や趣味の費用で増える面もあります。現役時とは別に「退職後の年間生活費」を意識して置くと、より実態に合います。

毎月の支出が把握しづらい場合は、家計簿・資産管理アプリで収支を可視化すると、入力値の根拠を作りやすくなります。まずは家計収支・貯蓄率診断で現状の支出構造を把握するのもおすすめです。

住宅費

賃貸なら家賃と更新料、持ち家ならローン返済に加えて管理費・修繕積立金・固定資産税も見込みます。これらは見落とされがちですが、長期では大きな金額になります。将来の住み替えや購入/売却の予定があれば、その時期と金額も反映しましょう。住宅費は数十年にわたるため、やや保守的(高め)に見積もると安全側になります。購入と賃貸で迷っている場合は住宅購入 vs 賃貸 比較も参考になります。

大きな支出(ライフイベント)

教育費・車の買い替え・リフォーム・結婚・介護など、まとまった支出は取り崩しの「山」を作ります。発生しそうな時期と金額をできるだけ入れておくと、現実的な資産推移を再現できます。教育費は進路によって差が大きいので、教育費の目安シミュレーターで総額の見当をつけてから入力すると決めやすくなります。

収入(就労・年金・退職金)

就労収入が終わるおおよその時期、年金の受給開始年齢と金額、退職金の有無・時期を入力します。年金見込み額は「ねんきん定期便」やねんきんネットの試算が参考になります。退職金は受け取り方(一時金/年金)で手取りが変わるため、税金が気になる場合は退職金の税金計算機も併用してください。これらの収入前提は結果に大きく影響するので、楽観しすぎないことが大切です。

資産・運用の前提

現在の金融資産(現金・課税口座・NISA・iDeCo/DCなど)を区分して入力します。期待リターンや変動の大きさ(標準偏差)は楽観しすぎないことが重要です。考え方は前提の考え方にまとめています。各項目の操作は使い方も参照してください。

迷ったら「やや保守的に」

入力値に迷ったら、収入はやや低め・支出はやや高め・利回りはやや控えめに置くと、結果は安全側(厳しめ)に出ます。厳しめの前提でも家計が成り立つなら安心ですし、そこから少しずつ条件を緩めて「どこまでなら大丈夫か」を探るのが、実用的な使い方です。