退職金と企業型DCを受け取る人(50代後半〜)
退職金と企業型DC・iDeCoの一時金は、受け取る時期や順序で税金が変わります。退職所得控除の枠の重なりに注意して、手取りを確かめましょう。
このケースで確認したいこと
- 退職金とDC一時金を同じ年に受け取ると、税負担はどうなるか
- 一時金・年金・併用で、手取りはどう変わるか
- 受け取った後、取り崩しながら資産が持つか
使うツールと進め方
退職金の所得税・住民税と手取りを概算します。
iDeCo/DCを一時金・年金・併用で受け取ったときの税・手取りを比べます。
受取後の取り崩しを家計全体で試算します。
計算例で見てみる
モデルケースのプロフィール
- 本人年齢
- 58歳
- 配偶者年齢
- 57歳
- 子ども
- 独立済み
- 世帯年収
- 900万円(本人800万・配偶者100万)
- 世帯手取り(年)
- 約700万円
- 現在の金融資産
- 3,700万円(預貯金1,000万・NISA/投信1,500万・企業型DC1,200万)
- 住宅ローン
- 完済済み
- 退職金見込み(60歳)
- 2,200万円・勤続38年
- 企業型DC(60歳時想定)
- 1,300万円
入力値
- 退職金:
- 2,200万円
- 勤続年数:
- 38年
- 退職所得控除:
- 2,060万円(800万+70万×18年)
- 課税退職所得:
- 70万円
計算結果
所得税・住民税合計:約11万円。退職金手取り:約2,189万円。勤続年数が長いため、退職金単体での税負担はかなり小さい。
判断・気づき
退職金単体の税負担は軽い。問題はDCを同年に重ねると控除枠を超えること。
入力値
- 退職金(60歳・同年):
- 2,200万円
- DC一時金(同年):
- 1,300万円
- 合計退職所得収入:
- 3,500万円
- 退職所得控除(通算):
- 2,060万円
計算結果
同年受取の場合:課税退職所得約720万円、税額約180万円、手取り合計約3,320万円。翌年受取(別枠)の場合:税額計約54万円。同年受取より約120万円の税差が生じる可能性。
判断・気づき
ただし翌年受取でも、19年以内の退職手当との重複調整が必要なケースあり。必ず勤務先・DC機関・税理士に確認を。
入力値
- DC残高:
- 1,300万円
- 受取方法(代替案):
- 10年年金受取
- 年金受取額:
- 年130万円(60〜69歳)
- 65歳以降:
- 公的年金と合算
計算結果
60〜64歳に公的年金等控除を活用しやすい。65歳以降は公的年金との合算で税・社会保険料への影響が出る。60〜64歳に厚めに受け取り65歳以降は減額する設計が有力。
判断・気づき
一時金全額より年金受取との組み合わせが、税とキャッシュフロー両面で使いやすい可能性が高い。
まとめ
退職金2,200万円は勤続38年の控除が大きく税負担は小さく済みますが、DC一時金を同年に重ねると控除枠を超え、税負担が100万円単位で増えます。基本方針は「退職金は一時金、DCは60〜64歳に年金受取または一部一時金+年金の併用」を比較することです。受取タイミングの決定前に必ず専門家に確認してください。
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